ナナメから直視する。

フォーク/ロックシンガー ナナメ/nanameの思想と音楽を素直なままに吐き出すブログです。

最初の一文で心がグサグサになる。

ささやかなこの人生/風

 

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「花びらが散ったあとの

 桜がとても冷たくされるように

 誰にも心の片隅に

 見せたくはないものがあるよね」

 

音楽は、リスナーの心を刺した者勝ちです。

 

その意味では、一発で仕留められた。

 

作詞者・伊勢正三さんは、本当に良い詞を書く。

残酷なまでに、良い詞を。

 

歌詞付きの動画があったので、

是非とも歌詞とともに、ご覧ください。

22歳のうちに、この曲を紹介しなくては。

22歳の別れ/風

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神田川に引き続き、またもや昭和フォークの大名曲。

 

今でもご活躍されている、伊勢正三さんのバンドです。

1975年、発売。

 

昭和のラブソングは深い歌が多くて心に刺さりまくります。

 

バンド名「風」も、個人的にはとても好きです。

バンドを漢字一文字にする、って、

かっこいいよなぁ。

 

 

あなたに さよならって言えるのは 今日だけ

あしたになってまたあなたの 温かい手に 触れたらきっと 

言えなくなってしまう そんな気がして

 

私には鏡に映った あなたの姿を見つけられずに

私の目の前にあった 幸せにすがりついてしまった

 

私の 誕生日に22本の 

ロウソクを立て ひとつひとつがみんな君の 人生だねって言って

17本目からは いっしょに火をつけたのが

昨日のことのように

 

今はただ5年の月日が 

長すぎた春といえるだけです

あなたの知らないところへ 

嫁いでゆく私にとって

 

ひとつだけこんな私の 

わがまま聞いてくれるなら

あなたはあなたのままで 

変わらずにいて下さいそのままで

 

 

 

 

 

最近のラブソングはどうもしっくりこない。

神田川かぐや姫

 

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昭和フォークの大名曲。

 

最近のラブソングの特徴として、

誰しもに当てはまる普遍的な愛を歌うのではなく、

他愛のない日常の風景一つを取り上げる、ということが言えると思う。

 

昔の曲はもっと、愛の本質に迫る曲が多かった。

「愛とは何か」という哲学的問いに答えうるような。

 

そんな中この「神田川」は、

日常の風景一つをとりあげながら、

どこか愛の本質の迫ってくる、そんな名曲である。

 

「若かったあの頃 何も怖くなかった

 ただあなたの優しさが 怖かった」

 

こんな詞、愛の本質を知らない人が書けるものではない。

 

また、その日常の風景一つの取り上げ方、も天下一品である。

風景をそのまま歌詞に抜き出し、リスナーにそれを想像させ、

風景を描写しているだけなのに、何故か作り手が抱いている切なさまで読み取れる、

そんな、魔的な力を持った曲。

 

 

貴方は もう忘れたかしら

赤い手拭 マフラーにして

二人で行った 横町の風呂屋

一緒に出ようねって 言ったのに

いつも私が 待たされた

洗い髪が芯まで 冷えて

小さな石鹸 カタカタ鳴った

貴方は私の 身体を抱いて

冷たいねって 言ったのよ

 

若かったあの頃

何も怖くなかった

ただ貴方のやさしさが

怖かった

 

貴方は もう捨てたのかしら

二十四色の クレパス買って

貴方が描いた 私の似顔絵

巧く描いてねって 言ったのに

いつもちっとも 似てないの

窓の下には

神田川

三畳一間の 小さな下宿

貴方は私の 指先見つめ

悲しいかいって きいたのよ

 

若かったあの頃 何も怖くなかった

だ貴方のやさしさが 怖かった 

今だから聴きたい、加川良の『教訓』以外の教訓

この世に住む家とてなく/加川良

 

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時の人・杏が『教訓Ⅰ』をカバーしたことで、

2020年現在にバズった加川良

 

その衝撃的な歌詞に、今までフォークを1ミリも知らなかった

若者たちも、フォーク、そして加川良に強い関心を寄せた。

 

そんな方々、そして往来のフォークファンに向けて叫びたい。

『教訓』以外の、教訓を。

 

加川良からいただける教訓が、まだまだ山ほどある。

本日の『この世に住む家とてなく』もそのうちの一つ。

 

 

もちろん、『教訓Ⅰ』も、立派な教訓だけれどもね。

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この曲が流行らないことを祈る。

自衛隊に入ろう高田渡

 

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今回はアングラフォークの大御所・高田渡

数々のプロテストソングを世に残し、

70年安保学生運動の際にも大きい影響を与えた、

そんな、一時代を作ったお方です。

 

今聞いてもヒドく衝撃的なこの歌。

必要になる時代が訪れないよう、祈るばかりです。

 

当時の庶民の生活を謳った曲も数多く残されています。

ちなみにこの曲は、言い回しが独特で大好きです。

 

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ちなみに高田渡さんのご子息、高田漣さんは、

現在ギタリストとして活躍中。

ソロミュージシャンとして演奏している他、

最近では元きのこ帝国の佐藤千亜妃さんのソロアルバム、

「Summer Gate」などでもギターを弾いておられます。

フォーク直球。坂崎さん主導のALFEEこそがその真髄。

シュプレヒコールに耳を塞いで/THE ALFEE

『夕なぎ/THE ALFEE

 

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あまり知らない人からすれば、

THE ALFEEと言えば、ド派手な高見沢さん、

というイメージも、もしかしたら強いのかもしれない。

 

思いっきりギターを歪ませて速弾きして。

 

もちろん、それもALFEEの大きな一面、メインストリームである。

やっぱり星空のディスタンス、最高。大好き。

メリーアンは色あせない名曲。たまらん。

 

しかし今回はいわばALFEEの「本性」、

彼らはフォークバンドである。

 

坂崎さん主体のALFEEのフォーキーな雰囲気を、

是非とも知っていただきたい。

 

これがALFEEの真の姿。

 

URC吉田拓郎と受け継がれてきたフォークソングを、

高齢になった今でも進化させ続け、

活動し続けている、

THE ALFEEの偉大さを、今一度確認しよう。

 

最後に、もうひとつフォーキーでたまらん曲を。

 

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私たちの望むものは/岡林信康

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音楽レビュー、第二回は岡林信康

「フォークの神様」と呼ばれた方です。

『22歳の別れ』『結婚しようよ』『恋人もいないのに』といった70年代の

明るいフォークソングではなく、60年代のメッセージ性の強いプロテストソング。

 

私たちはなぜ生きるのか。

正しいものは何なのか。

 

そんな哲学的命題を考えさせられる一曲です。

当時の時代背景(学生運動安保闘争)も相まって、

お客さんたちも一言一言しっかり聞き入っていますね。

 

ちなみに、バックバンドははっぴいえんど

細野晴臣大滝詠一松本隆鈴木茂の、現在でも大活躍されている、超伝説的バンドです。

はっぴいえんどは、また別の機会にしっかりと掘り下げます。

 

今回も、メッセージ性が強い歌なので、是非とも歌詞を味わってください。

 

最後のアンチテーゼ、あなたはどう解釈しますか?

 

 

 

私たちの望むものは

 

私たちの望むものは 生きる苦しみではなく

私たちの望むものは 生きる喜びなのだ

 

私たちの望むものは 社会のための私ではなく

私たちの望むものは 私たちのための社会なのだ

 

私たちの望むものは 与えられることではなく

私たちの望むものは 奪い取ることなのだ

 

私たちの望むものは あなたを殺すことではなく

私たちの望むものは あなたと生きることなのだ

 

今ある不幸せに とどまってはならない

まだ見ぬ幸せに 今飛び立つのだ

 

私たちの望むものは 繰り返すことではなく

私たちの望むものは 絶えず変わっていくことなのだ

 

私たちの望むものは 決して私たちではなく

私たちの望むものは 私であり続けることなのだ

 

今ある不幸せに とどまってはならない

まだ見ぬ幸せに 今飛び立つのだ

 

私たちの望むものは 生きる喜びではなく

私たちの望むものは 生きる苦しみなのだ

 

私たちの望むものは あなたと生きることではなく

私たちの望むものは あなたを殺すことなのだ

 

今ある不幸せに とどまってはならない

まだ見ぬ幸せに 今飛び立つのだ

 

私たちの望むものは

私たちの望むものは