ナナメから直視する。

フォーク/ロックシンガー ナナメ/nanameの思想と音楽を素直なままに吐き出すブログです。

さよならの意味さえ知らないで。

路地裏の少年/浜田省吾

 

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さよならの意味さえ

知らないで

わけもなく

砕けては掌から落ちた。

 

おじさん歓喜浜田省吾に、

22歳の私が今日も震えている。

 

 

 

路地裏の少年

 

歌手 浜田省吾

作詞 浜田省吾

作曲 浜田省吾

 

真夜中の校舎の白い壁に

訣別の詩 刻み込んだ

朝焼けのホームに

あいつの顔 探したけど涙で見えず

「旅に出ます」書き置き 机の上

ハーモニカ ポケットに少しの小銭

さよならの意味さえも知らないで

訳もなく砕けては手のひらから落ちた

あれは おれ16

遠い空を憧れてた路地裏で

 

アルバイト 電車で横浜まで帰る頃は午前0

古ぼけたフォークギター

窓にもたれ 覚えたての「風に吹かれて」

狭い部屋で仲間と夢描いた

いつかは この国 目を覚すと

裏切りの意味さえも知らないで

訳もなく砕けては手のひらから落ちた

あれは おれ18

肩すぼめて待ち続けた路地裏で

 

赤茶けた工場の高い壁に

倒れかけた帰り道

家を出て初めて故郷の母に

元気ですと書いた手紙

恋に落ちて戸惑う熱の中で

いつしか二人で過ごす夜毎に

やさしさの意味さえも知らないで

訳もなく砕けては手のひらから落ちた

あれは おれ21

細い肩を抱きしめてた路地裏で

 

口づさめば悲しい歌ばかり

届かぬ想いに胸を痛めて

今日もまた呼ぶ声に応えては

訳もなく砕かれて手のひらから落ちて

今は おれ22

初めて知る 行き止まりの路地裏で

 

 

五月雨は緑色。

初恋/村下孝蔵

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心情と情景を重ねることの鬼・村下孝蔵

その、揺るがない代表曲。

 

出だしの「五月雨は緑色」があまりにも有名だが、

個人的には終わりの、

「浅い夢だから胸をはなれない」

もまた、逸品の表現だと思う。

 

五月雨は緑色 悲しくさせたよ一人の午後は
恋をして淋しくて 届かぬ想いを暖めていた
好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない

 

夕映えはあんず色 帰り道一人口笛吹いて
名前さえ呼べなくて とらわれた心見つめていたよ
好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
風に舞った花びらが 水面を乱すように
愛という字書いてみては ふるえてた あの頃
浅い夢だから 胸をはなれない

放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸をはなれない

僕を忘れた頃に、君を忘れられない。

春だったね/吉田拓郎

 

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最近のビックバンドな拓郎も好き。

 

拓郎は真っ直ぐに心情を伝えることが得意だけれど、

この歌は日本的フォーク的な儚さ全面の曲。

 

「春だったね」

「春だったね」

ときて、

一番最後が「春だったんだね」。

 

このうまさ、切なさ。

 

 

 

僕を忘れた頃に

君を忘れられない  

そんな僕の手紙がつく

 

くもりガラスの窓をたたいて

君の時計をとめてみたい

あゝ僕の時計はあの時のまま

風に吹きあげられたほこりの中

二人の声も消えてしまった

あゝ あれは春だったね

 

僕が思い出になる頃に

君を思い出にできない

そんな僕の手紙がつく

 

風に揺れるタンポポをそえて

君の涙をふいてあげたい

あゝ僕の涙はあの時のまま

広い河原の土手の上を

ふり返りながら走った

あゝ あれは春だったね

 

僕を忘れた頃に

君を忘れられない

そんな僕の手紙がつく

 

くもりガラスの窓をたたいて

君の時計をとめてみたい

あゝ僕の時計はあの時のまま

風に吹きあげられたほこりの中

二人の声も消えてしまった

あゝ あれは春だったんだね

情景から心情を読み取らせる歌。

秋止符/アリス

 

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情景と心情を一つにする歌。

こんな素敵な詞、どうすればかけるのだろうか。

 

左ききのあなたの手紙
右手でなぞって真似てみる
いくら書いても埋めつくせない
白紙の行が そこにある

友情なんて呼べるほど
綺麗ごとで済むような
男と女じゃないことなど
うすうす感じていたけれど

あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうな そんな気がして


夢を両手に都会(まち)に出て
何も掴めず帰るけど
「やさしさの扉を開ける鍵は
眠れない夜が そっと教えた

心も体も開きあい
  それから始まるものがある
それを愛とは言わないけれど
それを愛とは言えないけれど」

あの夏の日がなかったら
楽しい日々が続いたのに
今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうな そんな気がして

春の嵐が来る前に
暖かい風が吹く前に
重いコートを脱ぎしてなければ
歩けないような そんな気がして

言いたいことを言わない、と言う日本的な美。

わかってください/因幡晃

 

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この一曲に、日本特有の美しさが詰まっている気がする。

 

 

 

貴方の愛した人の名前は

あの夏の日と共に 忘れたでしょう

いつも言われた 二人の影には愛がみえると

 

忘れたつもりでも 思い出すのね

町で貴方に似た人を 見かけると

ふりむいてしまう 悲しいけれど

そこには愛は見えない

 

これから淋しい秋です ときおり手紙を書きます

涙で文字がにじんでいたなら

わかって下さい

 

私の二十才のお祝いにくれた

金の指輪は今も光っています

二人でそろえた 黄色いティーカップ

今もあるかしら

 

これから淋しい秋です ときおり手紙を書きます

涙で文字がにじんでいたなら

わかって下さい

 

涙で文字がにじんでいたなら

わかって下さい

普遍的な恋愛感情を歌う。

あの素晴らしい愛をもう一度加藤和彦北山修

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こんなにも心に染み渡る詞があるだろうか。

人の数だけ恋愛があるが、その全てを理解しているような詞世界。

 

命かけてと誓った日から

すてきな想い出残してきたのに

あの時 同じ花を見て

美しいと言った二人の

心と心が 

今はもう通わない

あの素晴しい愛をもう一度

あの素晴しい愛をもう一度

 

赤とんぼの歌を歌った空は

何にも変わっていないけれど

あの時 ずっと夕焼けを

追いかけていった二人の

心と心が 

今はもう通わない

あの素晴しい愛をもう一度

あの素晴しい愛をもう一度

 

広い荒野にポツンといるよで

涙が知らずに溢れてくるのさ

あの時 風が流れても

変わらないと言った二人の

心と心が 今はもう通わない

あの素晴しい愛をもう一度

あの素晴しい愛をもう一度

ボブディランで仕留める男。

学生街の喫茶店/ガロ

 

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学生街の喫茶店での風景描写、そして心情描写、

その両方を一発でリスナーに伝える「ボブ・ディラン」。

天才的すぎる歌詞である。

まさに、フォークの世界観を表した歌詞。

 

そして、この歌が恋の歌だと言うのが明確に分かるのが

2番になってから。

 

この、切なさの伝え方たるや。

 

 

君とよくこの店に 来たものさ

訳もなくお茶を飲み 話したよ

学生でにぎやかな この店の

片隅で聴いていた ボブ・ディラン

 

あの時の歌は聴こえない

人の姿も変わったよ

時は流れた

 

あの頃は愛だとは 知らないで

サヨナラも言わないで 別れたよ

君と  

君とよくこの店に 来たものさ

訳もなくお茶を飲み 話したよ

窓の外 街路樹が美しい

ドアを開け 君が来る気がするよ

 

あの時は道に枯葉が

音もたてずに舞っていた

時は流れた

 

あの頃は愛だとは 知らないで

サヨナラも言わないで 別れたよ

君と 君と・・・