ナナメから直視する。

フォーク/ロックシンガー ナナメ/nanameの思想と音楽を素直なままに吐き出すブログです。

イメージの詩/吉田拓郎

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本日は記念すべき音楽レビュー第一回。

最初に想いを込めて紹介するのは、フォークの大御所・吉田拓郎の「イメージの詩」

 

1969年安保闘争を経て学生運動は鎮火。

当時の学生たちは、「自分たちがどんなに声をあげても歴史は変わらなかった」と、

失望していたようだ。

その翌年に発表されたのがこの曲。

歌詞の一言一言、メッセージ性の強い言葉が並べられており、

ライブの際にはフレーズごとに拍手が起きるほど。

ラブソング、友情、1曲1テーマが普通である音楽だが、

どんな悩みでもこの一曲で解決してくれる、そんな、全員の心を救う曲である。

 

今後、音楽レビューはあくまでも曲紹介であり、レビュー自体は短文で終わらせる予定であるが、

「イメージの詩」は、あまりにも歌詞が素晴らしいため、最後に歌詞全文を乗せる。

 

「古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう」

 

 

 

イメージの詩

これこそはと信じれるものが この世にあるだろうか

信じるものがあったとしても 信じないそぶり

悲しい涙を流している人は きれいなものでしょうネ

涙をこらえて笑っている人は きれいなものでしょうネ

 

男はどうして女を求めて さまよっているんだろう

女はどうして男を求めて 着飾っているんだろう

いいかげんな奴らと口をあわせて おれは歩いていたい

いいかげんな奴らも口をあわせて おれと歩くだろう

 

たたかい続ける人の心を 誰もがわかってるなら

たたかい続ける人の心は あんなには 燃えないだろう

傷つけあうのがこわかった昔は 遠い過去のこと

人には人を傷つける力があったんだろう

 

吹きぬける風のような おれの住む世界へ 一度はおいでョ

荒れ果てた大地にチッポケな花を一つ 咲かせておこう

おれもきっと君のいる太陽のあるところへ 行ってみるよ

そしてきっと言うだろう 来てみて良かった 君がいるから

 

長い長い坂を登って 後ろを見てごらん 誰もいないだろう

長い長い坂をおりて 後を見てごらん 皆が上で 手を振るサ

きどったしぐさがしたかったアンタ 鏡を見てごらん

きどったアンタが映ってるじゃないか アンタは立派な人サ

 

激しい激しい恋をしているおれは いったい誰のもの

自分じゃ 言いたいのサ 君だけのおれだと 君だけのものだと

裏切りの恋の中で おれは一人もがいている

はじめから だますつもりでいたのかい 僕の恋人よ

 

空を飛ぶのは 鳥に羽根があるから ただそれだけのこと

足があるのに 歩かない俺には 羽根も生えやしない

人の命が絶える時がきて 人は何を思う

人の命が生まれる時には 人はただ笑うだけ

 

古い船には新しい水夫が 乗り込んで行くだろう

古い船をいま 動かせるのは 古い水夫じゃないだろう

なぜなら古い船も 新しい船のように 新しい海へ出る

古い水夫は知っているのサ 新しい海のこわさを

 

いったい おれ達の魂のふるさとってのは どこにあるんだろうか

自然に帰れっていうことは どういうことなんだろうか

誰かが言ってたぜ おれは人間として 自然に生きてるんだと

自然に生きてるって わかるなんて 何て不自然なんだろう

 

孤独をいつの間にか 淋しがり屋と かんちがいして

キザなセリフをならべたてる そんな自分を見た

悲しい男と 悲しい女の いつものひとりごと

それでも いつかは いつものように 慰めあっている