おじさん達よ。新卒社会人一ヶ月目を終えて。 ー経験と白いカラス。
つい一月前に社会人になったばかりの青二歳から、
世のおじさんに向けての話。
といっても、なにもおじさんに限定する話でもなく、
むしろおじさん以外の多くの人も当てはまると思うのだが。
前回のブログは、自分から見てもわりと個性的というか、
私だけの「変人的な」世界の見え方を紹介できたように思える。
そしてそれ故の面白さもあったと思う。
しかし今回は、モノの見方がわかっている方々には当たり前の話で、
人によっては少々物足りなく感じるかもしれない。
物足りなさを感じた人たち。
「わかっているもの同士」で仲良くしていきましょーや。(上から)
さて、世のおじさんというものは、(というと怒りだすおじさんもいる?)
自身の経験から失敗・成功のアドバイスをくれるものだ。
もちろん部下や若者のためを思って。(ありがとうございます。)
またこれはアドバイスという行為に限った話ではなく、
日常生活で何かものを判断する度に、
あるいは人を判断する度に、(特に若者を?)
自身の経験をもとに判断をしている方が大勢であるように思える。
もちろん、「何事も経験しろ」などと言われるように、
経験はものすごーーーく大切なものである。
少なくとも入社一ヶ月の私なんかよりは、
四十歳五十歳のおじさん達の方が、遥かに社会を知っているだろうし、
青い私の倍以上の時間を生きている方も大勢いる。
おじさん達、日々日々、我々若者の面倒を見てくれて、
アドバイスしてくれて、
ときには怒ってくれて、
本当に、ありがとう。
しかし、
経験は絶対的な心理ではない。
一つの指標、それも「あなたにとって」の指標ではあるが、
それが、「私にとって」、
もっというと「世界にとって」の指標にもなるとはいえない。
突然だが、
日本に住むほとんどの人は、
今までの人生で見てきた全てのカラスが黒色だったのではないだろうか。
しかしそのこと(今まで見たカラスが全て黒色だったこと)が、
「この世界に白いカラスは存在しない」
ことのエビデンスにはならない。
あなたがまだ出会っていないだけで、
あるいはまだ人類が発見していないだけで、
白色のカラスが、世界のどこかで飛んでいるかもしれないでしょう?
じゃあ、絶対的な真理なんて存在するっていうのか!?
しないだろう!?
当然、そのような意見が出てくる。
例えば哲学の世界では、そうした絶対的な真理を求めて、
プラトン以降デカルトやカントといった天才達が苦悩していたわけだが、
私がここで言いたいのは、そうした、
「絶対的な心理はあるのかないのか論争」ではなく、
ただただ、
一経験は一経験に過ぎない、ということだ。
もちろん、誰かの経験談が悩める他の誰かを救うことだってありえるし、
「お前の経験話は無駄だ」などというつもりはない。
今の時代、今の若者は変革期だ。
インターネットの普及、世界規模のビジネス、情報の洪水。
これまでの時代の常識や正義が、全てそのまま当てはまるわけではない。
これまでの人がみんな持っていた共通の教科書を、
今の若者はそもそも持っていないかもしれない。
おじさんよ、
白いカラスは、ここにいる。
ナナメ/naname